長い時間をかけて、ようやく手に入れた美しい歯並びは、何にも代え難いものとなりますよね。
また、矯正前とは比べ物にならないほど、歯磨きがしやすくなるかと思います。
同時に、そのキレイな歯並びへの愛おしさから、今まで以上に丁寧に歯磨きするようになるかもしれません。
けれども、そうした愛情だけではキレイな歯並びを維持することは難しいのです。
<2年間は固定が必要!?>
矯正装置を外した時点では、治療前に思い描いていた理想の歯並びが実現されていることでしょう。
しかしながら、歯を支えている骨や歯茎の線維というのは、まだまだ不安定な状態なのです。
そこで必ず行われるのが、保定という処置です。
これは移動した歯が後戻りしないように、一定期間そこで固定させておく処置のこと差します。
期間としては大体、2年程度となっています。
2年間と聞くと、とても長く感じられてしまいますが、実際通院するのは、2~6カ月に1回程度です。
このくらいの頻度であれば、特に大きな負担にはならないかと思います。
また、後戻りなどのトラブルがない限り、この保定期間で特別な治療をすることもありませんので、ご安心ください。
<どんな風に固定するの?>
気になるのは、歯の固定の仕方ですよね。
具体的には、リテーナーという装置をお口の中に装着します。
このリテーナーには、取り外せるものと取り外せないものの2種類があります。
どちらのリテーナーを使用するにしても、始めの1年間はできるだけ長い時間、お口の中に装着しておくことが望ましいです。
1年を過ぎると、かなり骨と線維が定着していきますので、装着時間を減らしていっても問題ありません。
その点は歯医者さんが細かく指導してくれるかと思います。
<最後に必要になるのは自分の歯並びに対する愛情?>
冒頭では、歯磨きなどを念入りに行うだけでは、キレイな歯並びを維持することは難しいと言いましたよね。
それは、保定という重要な治療段階が存在するためです。
けれども、全ての治療が完了した後は、いかに患者さんご本人が自分なりのメンテナンスを行っていけるかにかかっています。
当然、日々のブラッシングやオーラルケアは欠かせません。
ただ、それだけでは十分ではありませんので、定期的に歯科クリニックへ通いましょう。
歯医者さんの定期健診では、歯周病の検査や虫歯予防に役立つ処置を色々としてくれます。
特に、歯石となって歯に沈着してしまった汚れは、歯医者さんにある道具でしかキレイに落とせないことがあります。
そうして、お口の中の衛生状態に気を遣いながら、治療後も数十年、キレイな歯並びを維持してみませんか?